妄想カウンターバー「ゲルマニウムトランジスタファズフェイス」へようこそ

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「また昭和歌謡かよ」と言われるかもだけど、まあ聴いてみてよとゴロニャンしてみる。

雪村いづみさんは、コケティッシュな魅力と日本人離れしたステージワークと歌の上手さで一世を風靡したエンターテイナー。
昔はよくテレビでも拝見していたが、最近でも佐野元春さんとの共演など、魅力を存分に発揮している。
(佐野さんの雪村さんリスペクトはハンパない)

東京歌謡祭というのが20年ぐらい前まであってTBS内にあった東京音楽祭協会というところの主催だった。
最初は国内参加歌手も実力派だったが、末期にはアイドルなども出場している。
第1回大会の大賞が雪村いづみの「わたしは泣かない」だった。
正直全然記憶にないのだが、「『わたしは泣かない』を歌いながら大粒の涙を流した」と、どこかで聞いたことがある。

昨年ジブリ映画「風立ちぬ」の主題歌として再び話題になった「ひこうき雲」は、当初は雪村いづみユーミンが書き下ろしたもの。
しかし「諸事情によりいづみバージョンはお蔵入り、ユーミン自身の歌唱となる」ということなんだが、諸事情が何なのかは知らない。
しかし、「ヨイトマケの歌」とともにメッセージソングの先駆けと言われた「約束」を歌ったいづみが「ひこうき雲」を歌うと、違うメッセージソングに聞こえたかもしれない。

歌唱力もあるし、エンターテーメント性も高いし、コケティッシュでかわいくてお茶目ないづみだから、海外でも大ウケ。
それに元々海外でも売ろうと、きちんと計画をした上でのことだったようだ。
それは、坂本九の「上を向いて歩こう」も同様で、偶然ビルボードチャートに上がったわけではないそうだ。
いづみの歌「涙」も、坂本九の「上を向いて歩こう」同様中村八大作曲。
聴いてみると、欧米のステージで歌うことを想定されているのが非常によくわかる。
そしてそれにいづみは応える力量があった。
まるで、宝塚あたりの卒業生のようだ。

ジャケット自体も隣のお姉さん風ではなく、ショーアップされた感じがする。

この曲は1971年のもので、GSが終わってそろそろジュリーあたりもソロになり、ジャニーズなどのアイドル時代が来る香りがあったと思うのだが、この前取り上げた水原ひろしや雪村いづみ菅原洋一などの実力派や、水前寺清子畠山みどり、村田英雄、春日八郎、井沢八郎などもテレビに出ていたし、本当にバラエティ豊かだった。
ザ・ベストテン」の頃も五木ひろし山本譲二などがベストテン入りしていたし、ニューミュージックがあったり、フォークがあったり、もちろんロックもあったし、まだ名残はあったと思う。

それにしても「涙」は壮大な曲だ。最初の軽いタッチからフィナーレは想像できない。
ジャズを基礎にしつつ何でも書いた中村八大ならでは。
名曲にまた出会ってしまった。