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なんか大寒波襲来したりしてモーレツに寒い昨今、クールに熱く歌い上げた『熱情のスペクトラム』で、熱々になってみる。

先日のブログ↓に続き、いきものがかり過去記事を加筆訂正。 

mayuchel.hateblo.jp

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MBS・TBS系アニメ『七つの大罪』第1期(2014年10月期)オープニングテーマだった『熱情のスペクトラム』。

いきものがかり28作目のシングルで、アニメ目当てながらも必然的に毎週耳に入っていた人も多いかも。

 

七つの大罪』は鈴木央さん原作の漫画で、『少年マガジン』2012年45号から現在に至るまで連載中。

それをアニメ化したものがTV版なのだが、スペシャル版最終話で新シリーズ制作が発表されたので、ファンは待ち遠しいところなのではないかなー。

TVアニメ「七つの大罪」公式サイト

www.7-taizai.net


七つの大罪」とは、元々はキリスト教の「七つの死に至る罪」、つまり最も重い罪のことで、「暴食」「憤怒」「嫉妬」「怠惰」「強欲」「傲慢」「色欲」を指す。

アニメや漫画版は、殺戮をしたり、国を滅ぼしたとして「七つの大罪」と呼ばれて指名手配されている伝説の騎士団を、ヒロイン・エリザベス王女が探すところからストーリーが始まる。

騎士団員には「憤怒の罪、ドラゴン・シンのメリオダス」「嫉妬の罪、サーペント・シンのディアンヌ」というように、「七つの大罪」の言葉が用いられた通称があり、テーマは重そうだが絵がキュートで、ジョークもふんだんに出てくるので楽しく観られるようになっている。

効果絶大なF♯

熱情のスペクトラム』にはイントロがほとんどなく、聖恵さんのヴォーカル、しかもサビがすぐに入る。

いきものがかりとしては定番な入り方なのだが、ヴォーカルが入る前に、2拍に渡る16分音符のピアノ音が入る。

これがイントロっちゃあイントロなんだけど、そのコードはF♯。

Bmが基になる曲なのでF♯が入るのはコード進行としては一般的なのだが、この曲では特に、ピアノによるF♯が差し色のように入り、短いながらも非常に印象的だ。

曲の最初の他にも1番のサビに向かう直前

限りを超えた明日へ

の後にも入っている。

そして展開部から大サビに向かう

ともに生きるその声を守り続ける

の後に、最初の同じF♯の16分音符が入っている。

しかし、2番の

高鳴る胸に求めて

には入らず、そこには2番のサビ前までずっと聞こえている歪むギターが入って、2番は2番で一貫性を感じさせる。

また、1番2番、大サビとも、

ひかりをつくりだすよ

君は振り返らない

ひかりはそこにあるよ

 のバックで鳴っている印象的な8分音符のピアノもF♯。

曲の最初に鳴っていた16分音符の音8つとまったく同じ音を使っているが、分散の仕方を変えることで新鮮な印象になっている。

しかし音はまったく同じで一貫性もあるので、このサビに対しての印象がいい意味でずっと一定でいられる。

この歌の主人公が揺るぎない心を持っているのではないか、歌詞に出てくる「ひかり」「希望」を表現しているのではないかと、ちょっと感動してしまうような印象を抱かせ、曲の強力な後押しになっている。

何とすばらしいアレンジなのだ!

ロディアスで力強さ全開

熱情のスペクトラム』は、特にサビ部分は全開なサウンドで進行していく。

同じくアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』OPである『ブルーバード』も割と全開系であり、「アニメのOP」という曲の役割がきっちり考えられている。

七つの大罪』の主人公たちは不当に悪者扱いされているが、しかしそこには揺るぎない心があり、頼もしさがある。

彼らの心の奥底には熱いものがみなぎっているはずで、まさに全開サウンドでなければ表現できないはずだ。

悲しみに負けたくないんだよ 怒りに打ち克ちたいんだよ

揺らぐ脆さも向き合って超えたいんだ

 時々聞こえる教会の鐘のようなコンサートチャイムの音が、非常に清らかで荘厳なものを感じさせ、展開部の歌詞にある、主人公の「誓い」が心の中にあるのではと想像させる。

サビ前は、聖恵さんには珍しく、低めの音でエッジの効いた歌い方をしている。

あやまちを恐れて誰かを責めてしまうたび
本当に見つめるべきは自分だと気づくよ

熱くたぎるものがありながら、頭はきちんと冷静でいられているようなカッコよさがある。

いきものがかりの曲はいつも、鍵盤楽器で言えば白鍵も黒鍵も全部使って作られているような印象を受ける。

使える音は全部使うメロディアスさが感じられるのだ。

それをいい意味で「歌謡曲っぽい」と評されることがあるが、そもそもクラシックと言われるショパンラヴェルワーグナーなどの曲は、みんなメロディアスで壮大でエモーショナルだ。

そういえばベートーヴェンピアノソナタには『熱情』という曲もあるが(「薄汚ねぇシンデレラ」で有名な『少女に何が起こったか』でキョンキョンが弾いてたやつ)、あれも非常にドラマティックな曲だ。
いきものがかりの曲からは、そんな豊かさをいつも感じる。
すごくよく考えられた曲、アレンジ、歌詞だと思う。


いきものがかり 『熱情のスペクトラムMV(ショート)+SPOT』